【将来への漠然とした不安を解消】家計簿アプリで「将来必要なお金」を見える化し、計画的に貯めるステップ
お金に関する将来への不安は、多くの方が抱えているかもしれません。漠然とした不安は、時に「どうすればいいのか分からない」という状態を生み出し、具体的な行動を妨げてしまうことがあります。特に、これから資産形成を始めたいと考えている方にとって、「将来いくら必要なのか」「いつまでに貯めればいいのか」といった疑問は、最初の大きなハードルになりがちです。
手書きの家計簿で挫折経験がある方や、手軽に家計を管理したいと考えている方にとって、スマートフォンアプリは非常に心強い味方となります。家計簿アプリは、単に毎日の支出を記録するだけでなく、将来を見据えたお金の計画を立て、実行していくための様々な機能を備えています。この記事では、家計簿アプリを使って将来必要なお金を見える化し、漠然とした不安を解消しながら計画的に貯蓄を始めるための具体的なステップをご紹介します。
なぜ家計簿アプリが将来のお金の不安解消に役立つのか
将来への漠然とした不安の背景には、「自分の現在地が分からない」「ゴールが見えない」という要因があります。家計簿アプリは、この二つの要素を「見える化」するのに役立ちます。
- 現在の状況把握: 収入と支出、現在の資産(預貯金、投資など)を正確に把握できます。これは、将来に向けた計画を立てる上での出発点となります。多くのアプリは銀行口座やクレジットカードとの連携機能を持ち、自動で取引情報を取得できるため、手入力の手間を大幅に減らし、正確な現状把握を助けます。
- 目標設定と進捗管理: 多くの家計簿アプリには、貯蓄目標を設定する機能があります。「いつまでに、いくら貯めたいか」という具体的なゴールを設定し、現在の貯蓄ペースと比較しながら、目標達成に向けた進捗を確認できます。
- お金のシミュレーション(一部アプリ): 将来のライフイベント(結婚、住宅購入、教育資金、老後資金など)に必要な資金を簡易的にシミュレーションできる機能を備えたアプリもあります。これにより、漠然とした不安が「〇年後に〇円必要になる可能性がある」という具体的なイメージに変わり、対策を立てやすくなります。
家計簿アプリで「将来必要なお金」を見える化し、計画的に貯めるステップ
ここでは、家計簿アプリを活用して将来のお金を見える化し、計画的な貯蓄を始めるための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:現在の収支と資産を正確に把握する
まずは、自分のお金の「現在地」を知ることから始めます。家計簿アプリの連携機能や入力機能を活用して、最低1ヶ月、可能であれば3ヶ月程度の収入、支出、そして預貯金や保有資産の全体像を把握しましょう。
- 収入: 給与、副収入など、定期・不定期に関わらず全て記録します。
- 支出: 日々の生活費(変動費)はもちろん、家賃や通信費などの毎月決まってかかる費用(固定費)も含め、漏れなく記録します。キャッシュレス決済が多い場合は、連携機能を使うと自動化できて便利です。
- 資産: 預貯金口座の残高、投資信託や株式などの保有資産をアプリに登録し、一覧で確認できるようにします。
このステップで、毎月どれくらいの収入があり、どれくらいの支出があるのか、そして現在どれくらいの貯蓄があるのかが「見える化」されます。
- 固定費: 住居費、通信費、保険料など、毎月ほぼ一定額かかる支出。
- 変動費: 食費、交際費、趣味、被服費など、月によって金額が変わる支出。
これらの分類もアプリでできると、無駄を見つけやすくなります。
ステップ2:漠然とした将来の目標を具体的にイメージする
次に、漠然とした将来への不安を、具体的な目標に落とし込んでいきます。
- 何歳までに、何のために、いくらくらい必要になりそうか?
- 考えられるライフイベント:住宅購入、結婚、出産・育児、子供の教育資金、自分や配偶者の老後資金、留学、車の購入、趣味への投資など。
もちろん、全てのイベントを一度に考える必要はありません。まずは「〇年後に〇円くらい貯めたいな」という漠然とした目標でも構いません。インターネット検索や公的な資料を参照して、「平均的な教育資金はこれくらい」「老後に必要と言われる資金はこれくらい」といった情報を集め、具体的な金額のイメージを掴んでいくのが良いでしょう。この段階で、家計簿アプリのメモ機能などに、目標の候補を書き出しておくのも有効です。
ステップ3:目標金額と期間を具体的に設定し、アプリに登録する
ステップ2でイメージした目標の中から、まずは一つ、あるいは二つを選び、家計簿アプリの目標設定機能に登録します。
- 目標名(例:老後資金、教育資金、住宅頭金)
- 目標金額(例:500万円、1000万円)
- 目標期限(例:10年後、子供が18歳になるまで)
アプリによっては、「毎月いくら貯めれば良いか」を自動で計算してくれるものもあります。目標を数字としてアプリに登録することで、その目標達成のために必要な貯蓄額が明確になり、漠然とした不安が具体的な課題へと変わります。
ステップ4:現在の収支から、目標達成に向けた貯蓄額を検討する
ステップ1で把握した現在の収支と、ステップ3で設定した目標達成に必要な金額を比較します。
- 毎月の収入 − 毎月の支出 = 貯蓄に回せる可能性のある金額
この「貯蓄に回せる可能性のある金額」と、目標達成のために「毎月貯めるべき金額」を比較します。もし、貯めるべき金額の方が多い場合は、支出の見直しが必要になる可能性があります。特に大きな効果が期待できるのは、固定費の見直しです。通信費や保険料、サブスクリプションサービスなど、毎月かかる固定費を見直すことで、無理なく貯蓄に回せる金額を増やすことができます。
ステップ5:無理のない貯蓄計画を立て、実行・継続する
目標達成に向けた毎月の貯蓄額が決まったら、実行に移します。無理なく継続するための効果的な方法の一つに「先取り貯蓄」があります。
- 先取り貯蓄: 収入が入ったら、まず貯蓄用の口座に一定額を移してしまう方法。生活費として使えるお金を先に減らすことで、使いすぎを防ぎ、確実に貯蓄できます。給与振込口座から自動的に別の貯蓄用口座へ振り分ける設定などを利用すると、より手間なく継続できます。
家計簿アプリで目標設定をしておけば、毎月の貯蓄額を記録する際に、「この貯蓄は〇〇の目標達成のため」と紐付けて管理できるため、何のために貯めているのかが明確になり、モチベーション維持につながります。
定期的に(例えば毎月、あるいは四半期に一度)家計簿アプリで収支や貯蓄の進捗を確認しましょう。目標額や期限は、ライフプランの変化に合わせて見直しても構いません。大切なのは、一度決めたらそのままにせず、定期的にチェックし、必要に応じて軌道修正を行うことです。
まとめ
家計簿アプリは、日々の家計管理を効率化するだけでなく、将来への漠然としたお金の不安を解消し、具体的な貯蓄計画を立て、実行・継続していくための強力なツールです。
- 現状把握: アプリで現在の収支と資産を正確に「見える化」する。
- 目標設定: 将来のライフイベントに必要な資金を具体的にイメージし、目標としてアプリに登録する。
- 計画策定: 目標達成に向けた毎月の貯蓄額を算出し、無理のない計画を立てる。
- 実行と継続: 先取り貯蓄などを活用し、定期的に進捗を確認しながら継続する。
このステップを踏むことで、漠然とした不安は「今、何にどれくらいお金を使っていて、将来の目標のために、毎月あと〇円貯蓄を増やせば良いのだな」という具体的な理解に変わります。そして、その理解は、具体的な行動へとつながります。まずは現在の家計を「見える化」することから始め、将来への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。