家計簿アプリで「収入」を見える化!貯蓄をもっと加速させる家計管理のコツ
家計管理を始めようと家計簿アプリに関心をお持ちの方の中には、まずは「支出を把握すること」から取り組もうと考えている方が多いかもしれません。確かに支出の把握は家計改善の第一歩として非常に重要です。
しかし、家計管理の全体像を捉え、効率的に貯蓄を増やしていくためには、支出だけでなく「収入」を正確に把握することも同様に重要です。
この記事では、家計簿アプリを使って収入を見える化することのメリットと、それがどのように貯蓄加速につながるのか、具体的な方法と継続のコツをご紹介します。
支出だけでなく「収入を見える化」することが大切な理由
なぜ支出だけでなく収入も正確に把握する必要があるのでしょうか。それは、家計管理の最終的な目的である「貯蓄を増やすこと」や「将来への漠然とした不安を解消すること」に直結するからです。
収入を見える化することで、主に次のようなメリットが得られます。
- 家計の全体像が把握できる: 収入と支出のバランスが明確になり、自分自身の本当の経済状況を客観的に理解できます。
- 無理のない貯蓄額が見えてくる: 収入に対してどれくらい支出しているのか、そしていくら貯蓄に回せる余裕があるのかが分かります。「頑張って貯蓄しよう!」という気持ちだけではなく、具体的な金額が見えることで、より現実的な貯蓄計画が立てやすくなります。
- 将来への漠然とした不安が和らぐ: 収入と支出、そして貯蓄額が把握できることで、「自分は家計をコントロールできている」という感覚が得られ、お金に関する不安が軽減されることがあります。
家計簿アプリで収入を見える化するメリット
家計簿アプリは、収入を見える化するための強力なツールです。手書きの家計簿でも収入は記録できますが、アプリを使うことにはいくつかの大きなメリットがあります。
- 記録の手間が省ける: 多くのアプリは、給与振り込み口座などを連携させることで、定期的な収入を自動で記録できます。手入力の場合も、一度設定すれば定額収入の記録は簡単です。
- 収入源ごとの内訳が分かる: 給与収入、副収入、その他の一時的な収入など、収入源別に記録・分類することで、何からいくら収入があるのかが一目で分かります。
- 収入の推移をグラフで確認できる: 月ごと、年ごとなど、期間ごとの収入の増減をグラフで確認できます。これにより、収入の傾向や季節変動などを把握しやすくなります。
- 「手取り収入」を意識できる: 額面上の給与だけでなく、所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれた「手取り収入(可処分所得)」を意識した家計管理が可能になります。家計簿アプリによっては、これらの控除項目を記録する機能を持つものもあります。(※)
(※)手取り収入(可処分所得)とは? 給与明細に記載されている総支給額(額面給与)から、所得税、住民税、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)などが差し引かれた後に、実際に私たちの手元に残る金額のことです。家計管理においては、この手取り収入を基準に考えることが、より現実的な支出計画や貯蓄計画を立てる上で重要になります。
具体的な家計簿アプリでの収入管理ステップ
家計簿アプリを使って収入管理を始めるのは、決して難しくありません。以下のステップを参考にしてみてください。
- アプリの登録・連携設定を行う: まずは利用したい家計簿アプリをスマートフォンにダウンロードし、初期設定を行います。給与が振り込まれる銀行口座や、収入に関連する可能性のある金融機関口座があれば、可能な範囲で連携設定を済ませましょう。これにより、一部の収入が自動で記録されるようになります。
- 主な収入源(給与など)を登録する: 連携で自動的に記録されない場合や、連携機能がない場合は、手入力で収入を記録します。給与収入であれば、給与が振り込まれた日付、金額、そして「給与」といったカテゴリーを設定します。毎月決まった金額であれば、繰り返し入力の設定ができるアプリもあります。
- 副収入などその他の収入を記録する: 副業による収入、フリマアプリでの売上、配当金など、給与以外の収入があれば、その都度記録します。収入源ごとにカテゴリー分けをしておくと、後で振り返りやすくなります。
- 控除項目を把握し、手取りを意識する: 可能であれば、給与明細を見ながら、額面給与、そして所得税、住民税、社会保険料などの控除額も記録してみましょう。多くの家計簿アプリでは、収入から自動または手動で税金や社会保険料を差し引いた手取り金額を表示する機能はありませんが、「給与(額面)」「税金・社会保険料(支出)」というように記録することで、手取りがいくらなのかを意識し、家計の基準とすることができます。
収入の見える化を貯蓄にどうつなげるか
収入を正確に把握できるようになったら、いよいよそれを貯蓄にどう活かすかを考えましょう。
- 「収入 - 支出 = 貯蓄可能額」を明確にする: アプリで収入と支出の両方を記録することで、理論上、毎月いくら貯蓄に回すことができるかが明確になります。この「貯蓄可能額」を把握することが、無理のない貯蓄計画の出発点です。
- 貯蓄目標額設定の根拠とする: 具体的に見えてきた貯蓄可能額を参考に、現実的な貯蓄目標額を設定します。例えば、「毎月手取り収入の10%を貯蓄に回す」といった目標が立てやすくなります。
- 収入推移を見て、将来の貯蓄計画を立てる: 収入が安定しているのか、それとも変動があるのか、アプリのグラフなどで推移を確認します。収入の見込みも考慮に入れることで、数ヶ月後、1年後といった少し先の貯蓄計画も立てやすくなります。
- 臨時収入の効果的な活用法を考える: ボーナスや還付金などの臨時収入があった場合、すべてを使ってしまうのではなく、計画的に一部または全額を貯蓄に回すことを検討しましょう。家計簿アプリに臨時収入として記録し、貯蓄用口座への移動を記録することで、臨時収入が貯蓄に貢献した分を明確にできます。
収入管理を継続するためのコツ
家計簿アプリを使った収入管理も、継続が大切です。以下のコツを試してみてください。
- 収入があったらすぐに記録する習慣をつける: 給与が振り込まれた日、副収入があった日など、収入が発生したらその都度、アプリに記録することを習慣づけましょう。「後でまとめてやろう」と思うと、つい忘れてしまいがちです。
- 連携機能や定型入力機能を活用する: 銀行口座の連携や、毎月定額の給与を自動入力する機能など、アプリが持つ便利な機能を積極的に利用しましょう。これにより、手入力の手間が減り、継続しやすくなります。
- 定期的に収入の推移を振り返る: 月末や給与日など、区切りが良いタイミングでアプリを開き、収入の推移グラフなどを確認してみましょう。自分の収入がどのように変化しているかを知ることは、家計管理への意識を高め、継続のモチベーションにもつながります。
まとめ:収入の見える化が貯蓄成功の鍵
家計簿アプリは、支出管理だけでなく、収入の正確な把握にも非常に役立ちます。収入を見える化することで、家計の全体像が明確になり、現実的な貯蓄計画が立てやすくなります。
今日からぜひ、家計簿アプリを使って自分の収入を記録・分類してみてください。収入と支出の両方を把握し、自分のお金の流れ全体をコントロールできるようになることが、将来への漠然とした不安を解消し、無理なく貯蓄を増やすための第一歩となります。まずは一ヶ月、収入を意識して家計簿をつけてみましょう。きっと、これまで見えていなかった気づきがあるはずです。