【初心者向け】家計簿アプリで始める「もしも」に備える緊急資金の貯め方ステップ
将来への漠然とした不安を感じている中で、「何かあったとき」のためのお金をどう準備すれば良いか、具体的にイメージできていない方もいらっしゃるかもしれません。手書きの家計簿では途中で挫折してしまい、なかなかお金の管理が進まない、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
家計簿アプリは、こうした将来への備え、特に急な支出に対応するための「緊急資金」の準備に役立ちます。お金の流れを「見える化」し、無理なく継続できる仕組みを作ることで、漠然とした不安を解消し、安心感を得るための一歩を踏み出すことができます。
ここでは、家計管理初心者の方が家計簿アプリを使って、将来の「もしも」に備えるための緊急資金を準備するための具体的なステップと、継続のコツをご紹介します。
なぜ家計簿アプリが緊急資金準備に役立つのか
緊急資金とは、病気やケガ、失業、家電の故障といった予期せぬ出来事により、一時的に収入が減少したり、大きな支出が発生したりした場合に生活を維持するために必要となる資金のことです。この緊急資金を準備するためには、まずご自身の家計の現状を正確に把握し、無理のない範囲で計画的に貯蓄を進める必要があります。
家計簿アプリが緊急資金準備に役立つ主な理由は以下の通りです。
- 支出の「見える化」: 銀行口座やクレジットカードと連携させることで、何にいくら使っているかが自動的に記録され、ご自身の支出の全体像や傾向を正確に把握できます。これが、緊急資金としていくら準備すべきか、また、どのように積立資金を捻出できるかを知るための第一歩となります。
- 予算管理機能: 毎月の収入内で、生活費と貯蓄に回すお金を明確に分ける予算を設定できます。これにより、緊急資金として積み立てる金額を計画的に確保しやすくなります。
- 目標設定・進捗管理: 緊急資金として目標とする金額を設定し、現在の積立状況や達成率を確認できます。目標が「見える化」されることで、モチベーションの維持につながります。
- 手軽な記録と自動連携: 手書きのように手間がかからず、日々の支出を簡単に記録できます。特に金融機関との自動連携機能を使えば、記録の手間が大幅に減り、忙しい方でも継続しやすくなります。
緊急資金としていくら準備すれば良いか? 目安を考える
緊急資金として具体的にいくら必要か、という問いに明確な答えはありませんが、一般的には生活費の3ヶ月分から6ヶ月分が目安とされています。
ご自身の生活に必要な月々の支出(家賃や住宅ローン、光熱費、食費、通信費、保険料など)を正確に把握し、それに3~6を掛け合わせた金額が、一つの目標となります。この「生活費」を把握するために、家計簿アプリの支出記録が非常に役立ちます。まずは1ヶ月、ご自身の正確な支出を記録・把握することから始めてみましょう。
家計簿アプリを活用した緊急資金準備の具体的なステップ
家計簿アプリを使って緊急資金を準備するためのステップをご紹介します。
ステップ1:家計の現状を把握する
まず、家計簿アプリに日々の収入と支出を記録し、ご自身の家計がどのような状態にあるのかを把握します。銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどを連携させると、自動で取引履歴が取り込まれるため、手入力の手間が省け、正確なデータが集まります。
1ヶ月ほど記録を続けると、ご自身の支出パターンが見えてきます。特に、毎月必ず発生する固定費(家賃、住宅ローン、通信費、サブスクリプション料金など)と、月によって変動する変動費(食費、交際費、趣味・娯楽費など)を把握することが重要です。固定費は削減が難しい場合が多いですが、変動費の中から見直せる項目がないか検討するヒントが得られます。
ステップ2:緊急資金の目標額を設定する
ステップ1で把握した月々の生活費を基に、緊急資金の目標額を設定します。目安としては生活費の3ヶ月~6ヶ月分ですが、ご自身の雇用形態や家族構成、健康状態などを考慮し、無理のない範囲で目標を決めましょう。まずは3ヶ月分を目指すなど、段階的に目標を設定するのも良い方法です。
ステップ3:積立計画を立てる
目標額が決まったら、毎月いくら積み立てるかを計画します。家計簿アプリの「予算設定」機能を活用し、収入から生活費や他の支出、そして緊急資金の積立分をどのように配分するかを決めましょう。
たとえば、目標額が30万円で1年間で達成したい場合、毎月約2万5千円を積み立てる必要があります。ステップ1で把握した支出の中から、無理なく削減できる項目がないか見直し、積立資金を捻出できるかを検討します。最初は少額からでも構いません。継続することが最も大切です。
ステップ4:積立を実行・継続する
計画に基づき、毎月設定した金額を緊急資金用の口座などに移す、いわゆる「先取り貯蓄」を実行します。給料日後すぐに積立分を別の口座に移すようにすると、使い込みを防ぎやすくなります。
家計簿アプリに、この積立を「貯蓄」として記録することで、計画通りに進んでいるかを確認できます。自動連携を設定しておけば、資金移動の記録も自動で反映されるため、手間なく管理できます。
ステEP5:進捗を確認し、必要に応じて見直す
定期的に家計簿アプリで緊急資金の積立状況を確認しましょう。目標金額に対する現在の進捗や、設定した予算内でおさまっているかなどを確認することで、計画通りに進んでいるかを把握できます。多くの家計簿アプリには、資産推移グラフやレポート機能があり、視覚的に確認できます。
もし計画通りに進んでいない場合は、支出を見直したり、積立金額を調整したりするなど、必要に応じて計画を見直すことが大切です。環境の変化(収入や支出の変化)があった際にも、柔軟に見直しを行いましょう。
無理なく続けるためのコツ
- 自動連携を最大限に活用する: 手入力の手間を省くことが、継続の一番の鍵です。銀行、クレジットカード、電子マネーなどを積極的に連携させましょう。
- カテゴリー分けを工夫する: ご自身の支出を分かりやすくカテゴリー分けすることで、何に使いすぎているのか、どこを削減できるのかが見えやすくなります。
- 完璧を目指さない: 最初からすべての支出を完璧に記録しようとせず、まずは無理のない範囲で記録することから始めましょう。多少の抜け漏れがあっても、全体の傾向を掴むことが重要です。
- 目標を再確認する: なぜ緊急資金を準備するのか、その目的(将来への安心、万が一への備えなど)を定期的に思い出すことで、モチベーションを維持できます。
まとめ
家計簿アプリは、ご自身の収入と支出を「見える化」し、将来の「もしも」に備えるための緊急資金を計画的かつ無理なく準備するための強力なツールです。手書きの家計簿で挫折経験がある方でも、スマホ一つで手軽に記録や管理ができる家計簿アプリを使えば、お金の管理を習慣化しやすくなります。
まずはご自身の家計の現状を知ることから始め、生活費を把握し、目標額を設定し、計画的に積み立てを実行・継続してみてください。家計簿アプリを賢く活用することで、漠然とした将来の不安を安心に変え、着実に貯蓄体質を作っていくことができるでしょう。小さな一歩からでも、将来への備えを始めてみてはいかがでしょうか。